■平成23年度青森県公立高校入試総評

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平成23年度青森県公立高校入試総評
【国 語】 全体的に平易であったので、抜き出し問題などで確実に得点できるかがカギ。
大問2の漢字は、(2)の5問が選択肢問題であるという昨年の形式を踏襲。難易度は昨年程度。
大問3は、昨年に引き続き文法問題であるが、やや平易。(1)の「副詞」が何かを把握できるかどうかが唯一問題。(2)は、文体の統一、(3)は推敲(「間違いさがし」)で、小学校から続く作文指導で、よく注意されるポイントであるから、受験生は解きやすかったのではないか。
大問4には、『後漢書』から漢文がとりあげられた。教科書で学習している内容ではないが、現代語訳がつけられていたので、落ち着いて問題に取り組めばさほど難しくない。(1)は、書き下し文を作成する問題で、一・二点を使った語順だけが問題なので、平易。(2)は「白豚の献上をやめた理由」を、文脈を考え導き出す必要があり、思考力が求められた。
大問5は、論説文。昨年度は長谷川櫂の「和の思想」がとりあげられ、日本と西洋の空間と時間感覚の対比がテーマで、やや難しかったのに対し、今年度の石黒浩「ロボットとは何か」は、内容も平易で読みやすい。記述は15字の抜き出しを除けば、(4)と(5)の2題。(5)が文章中にはっきりと答えが書かれておらず、解きにくい。
大問6は、山折哲雄のエッセイと、「徒然草」の現代日本語訳の組み合わせ。25字以内、35字以内の記述問題があるが、それほど答えにくくはない。
大問7は毎年出題されている200字作文。グラフを読み取り、青森と京都・仙台の、方言と共通語に関する意識の違いを、第一段落「気付いたこと」、第二段落「自分の意見」で構成する。グラフの意味するところは多岐にわたるが、あまり多くの点に触れず、ポイントを絞った作文をすることが要求された。「青森(弘前)の人は地元以外では、他県の人よりも方言を隠す傾向にある」などの視点が作文しやすかった。
以上から、今年度の受験者平均点は、昨年比でやや上がるであろう。
佐藤

【英 語】 全訳つき解説
大問1のリスニング(1)の問題は例年通り絵の中から選ぶ形式でしたがウの一問だけ絵から語句の選択に変わりました。(2)は、放送された内容から必要な情報をメモしておくことが必要でした。放送された英文が昨年は93語から今年は114語に増えた分だけ少し難しいと感じた生徒もいるかもしれません。(3)の対話文では、あつし君とエミリーが、電話で冬休みの出来事について話しています。
ここの問題も要点をメモした後、質問が何を聞いているのかに注目します。難易度は平年並みです。
大問2の(1)は並べ替え英作文です。アの天候や気候の時に使う、訳さないitに気づいたでしょうか。イは形容詞的用法の不定詞、ウは比較級、エは形容詞的分詞を使った英作文でした。(2)の自由英作文は昨年から15語に語数の変更されています。「留学生に、身近な人を紹介する」内容は、比較的普段から練習している内容でした。
大問3は、2つの対話文補充と3つの英作文で、去年と同じ内容でした。前後の文から会話が成立する文を探す問題です。それぞれの文に使われている動詞の形に注目して英文を作りましょう。
大問4は、語数は去年よりも少し少なくなりましたが、「OK」の由来について述べられた文意を捉えることができたでしょうか。形式は去年と同じ内容でした。(2)の疑問文中の主語や動詞の種類に注意し、答えの英文を作る必要があります。(3)の英作文は日本文に主語や動詞の印をつけて英作文を作ることができたでしょうか。
大問5は、去年より長文の語数が増え465語になりました。職場体験に参加したメアリーたちがグリーンさんと出会ったときの文章です。主語や動詞などの文の作りに注意しながら意味を取っていく必要がありました。形式はほぼ例年と同じでした。
出題形式、問題量とも若干の増減はありましたが難易度はほぼ例年通りです。

蝦名


【数 学】 大問1は例年通り基本的な問題です。(6)は高さを出すために三平方の定理を使わなければなりません。思い込みでやると間違います。(8)は回転させた三角形で2辺が平行であるということです。∠DAB=∠EACに気が付けば容易に解けます。
大問2の(1)のイでは2x−3y=−5となり,x,yが自然数になるように,x,yを決めるとよいです。(2)は,月曜日をxとおくと,答えはx+1になります。
大問3の(1)は大きな円錐から小さな円錐をひくとPの体積がでます。(2)ACとBDの交点をFとすると△DFCは直角二等辺三角形になります。FD:FC=1:√2となり,△FBC∽△FADより,√2:1,よって,√2:1=6:AD,AD=3√2
大問4の(3)は等積変形を利用するとよいでしょう。(4)はBをy軸について対称なCにおきかえてACの直線の式を求めるとよいでしょう。すぐに気が付きましたか。
大問5は,動点の問題で(4)のBE=xとおいて考えるとよいでしょう。
全体として,難問は無かったが,気が付かないと解けない問題がいくつかありました。日ごろから多くの問題を解いているとできるでしょう。

山ア

【社 会】

<<地理>>昨年度が、基本事項が多く解答しやすかったのに対し、今年度はやや難しい。
大問1は世界地理の問題。(1)の造山帯や(2)(3)の緯度に関する問題は基本問題で解きやすい。(4)のアメリカの標準時や(5)の偏西風―北大西洋海流の問題は、現在頻出ではないので、得点率は低いであろう。
大問2は日本地理の問題。(1)、(2)、(3)は日本のすがたに関する問題で、それぞれ7地方区分と県庁所在地、地形の問題。日本地図をしっかりと頭に入れているかどうかで、大きく得点率が異なる。(4)(5)(6)は模擬テスト等でも頻出なので解きやすい。

佐藤

<<歴史・公民>> 大問3は資料1が江戸時代、資料2が奈良時代、資料3が鎌倉時代、資料4が平安時代になります。資料には手がかりが少ないので、時代を見分けるのは大変だったかもしれません。また、(5)イの記述式の問題では、『唐風』の語句を上手に使えるかがポイントになりそうです。
大問4は沖縄に関連した問題になっていますが、難易度は例年並で、塾の冬期講習や直前講習でも出てきた内容になっています。
大問5は国際社会についての問題、大問6が経済についての問題になっています。歴史と比べると、難易度はやさしめといった感じがします。よく出てくる重要単語を答えさせる問題が多くでています。
大問7が地理・歴史・公民の融合問題になっています。今までの青森の入試になかったパターンですが、落ち着いて解くことができれば大丈夫だと思います。


<猪股

 
【理 科】
<>全体的に昨年度よりも簡単になっています。
大問1は、植物、細胞、岩石、天気分野の小問題集でした。基本を確認するような用語の記述だったので、受験生は点数が取りやすい内容となっています。
大問3は、人体、消化液と消化管に関する問題です。(3)、(4)がやや難しいですが、やはり難易度は低めです。
大問5は天体、透明半球を用いた問題です。(1)の記述もよく見られるものです。受験生にとっては書きやすいものです。また、(2)の日の出の時刻を求める問題も、基礎を離れない頻出問題でした。

佐藤 <> 大問2はT分野の小問です。(2)光ファイバーは全反射で光を伝えます。(3)はN極を示すにはひきある性質をもつN極,(5)は塩酸の電気分解をイオンで説明したものです。(6)は酸化・還元の問題です。具体的な物質名は出ていませんが,とれた酸素との関係をみるとよいです。化学変化の計算は比例式でOKです。
大問4は化学変化の問題です。(2)のイとウは30cm3の塩酸です。何gの亜鉛と反応するのかを見つけると解けます。少し難しいです。
大問6は運動エネルギーの問題です。基本的な問題でした。
理科T分野は新傾向も入っているが,基本的な問題が中心でした。

山ア