■平成25年度青森県公立高校入試総評

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平成25年度青森県公立高校入試総評
【国 語】 

大問1の「放送による検査」,聞き取り問題に大きな変化あり。配点が,3点×3問=9点から, 3点×1問+4点×3問=15点と多くなっている。配点も大きく, なれない形式の問題が入試の一番初めに来ることで, ここで崩れ, 普段のアベレージから落ちてしまう受験生が多く見られるだろう。
大問2の漢字は, (2)の5問が選択肢問題であるという形式を,4年連続で踏襲することとなった。難易度は昨年程度。
昨年の大問3は文法問題であったが廃止。かつてのように, 小説, 論説問題の中に埋め込まれた。
それに代わり, 大問3は『論語』から漢文がとりあげられた。昨年が古文だったので, 青森県の伝統である「古文と漢文が一年おきに交互に出題される」という傾向に沿っている。採用された文章は, 教科書で学習している内容ではない。書き下し文を作るのに, 教科書で学習していない「一レ点」を処理しなければならなかった。(2)の現代語訳, (3)の四字熟語問題とも,得点しにくい。
大問4は, 小説。朽木祥の小説, 「オン・ザ・ライン」が取り上げられた。昨年は25字以内の記述がひとつだけであったが, 今年は十五字(4点)と四十字(6点)の記述。6点配点の(5)の記述が, 「銀杏の葉がいっせいにきらめいた」という描写にどのような効果があるか, という隠喩的表現の効果を書かせる問題で難易度が高い。 大問5は, 論説文。書道家・武田双雲の「人生を変える『書』 観る愉しみ, 真似る愉しみ」が取り上げられた。「伊藤さん」があとがきを読んで, 本文に興味をもって読んだ, という設定もあり, 「あとがき」と「本文」が連続して問題文となっている。内容はやや難しい。記述は昨年に同じく(4)の一題だけであるが, 本文で述べられた「観る」という言葉を, 身近な例に当てはめて具体的に説明させる, というもの。難易度はさほど高くないが, なれない問題のため受験生は戸惑う。時間もかかるので正答率も下がる。

大問6は毎年出題されている200字作文。最近の傾向であった, グラフを読み取る問題が廃止。テーマは読書に関する標語A・Bから, どちらかを取り上げる。第一段落でその表現の特徴, 第二段落でどちらの標語が良いか自分の考えを書く。書きやすい方向を見定められるかどうかがカギだが, 書く方向性がある程度限定されるので, 書きにくい作文であった。

聞き取りの配点変更。大問が全部で7題から6題へ変更。トータルで問題数は38問から34問へ減っている。その分記述の配点が最大4点だったのが6点となった。また, その記述も, 新傾向で解きにくい。さらに作文もやや書きにくい。聞き取りを無難にこなし, 記述, 作文で部分点を稼げなければ取れなければ大崩れの可能性もある。難易度は確実に上がっているので, 今年度の受験者平均点は, 昨年比で下がるであろう。

佐藤

【英 語】

英語・全訳付き解説
大問1のリスニング(1)の問題は例年通り絵の中から選ぶ問題が3問中2問で、後はお店でTシ ャツを買うことにした時のお店の人に話す言葉を選択する問題でした。(2)は、選択肢に注目して、放 送された英文は昨年98語から今年は88語に若干少なくなりましたが、時刻や行動など必要な情報 をメモしておくことが必要でした。内容はほぼ例年並です。(3)の対話文では、ジャックとアイコが ジャックの家族について話しています。英文は前年とほぼ同じ129語で、家族構成や行動、などを 人物ごとに整理してメモできたでしょうか。難易度は平年並みです。

大問2は高校の球技大会のポスターについてのジョンとアキラの会話です。 (1)は並べ替え英作文です。ア「What sport」と疑問形容詞の使い方は覚えていましたか。イは「like」 を動詞ではなく「〜のような」と訳す前置詞として使います。ウはカッコの直前にbe動詞のareがありますからカッコ内だけで文を作るのではなく、sportsを先行詞とする関係代名詞thatの節を続ける英作文でした。(2)の適語補充は等位接続詞thatの後ろに対比するin the afternoonがありますから 午前中の in the morning は導けたのではないかと思います。(3)の自由英作文は例年通り15語以 上の条件でした。「球技大会にむけて、みんなでバスケットボールの練習をしようと誘われたときの 答え」の文章を作る問題でした。自分で作ろうとする内容を、まず日本語で考え、文の作りを確かめて英作文を作ります。自由に返事を考えることができるので優しかったのではないでしょうか。

 大問3は、2つの対話文補充と3つの英作文で、昨年と同じ内容でした。前後の文から会話が成 立する文を探す問題です。アでは次に「いいえ、来週の日曜日はすべきことは何もありません」と、 答えの文がありますから、「あなたは、来週の日曜日にすべきことはありますか」とたずねます。イで は次の文が「あなたはそれらを文化ホールで見ることができます。」と場所が答えとなっているので、 「わたしはどこでその映画をみることができますか」という疑問文が必要になります。ウでは次の文が「わたしは3本の映画を作りました」と、答えているので、「あなたは何本の映画を作りましたか」 と、数をたずねる過去形の疑問文を作る必要がありました。

 大問4は、レイコが塩について英語の授業で行ったスピーチについてでした。196語の語数、形式とも例年と同じ内容でした。(2)の疑問文中の主語や動詞の種類に注意し、疑問詞に対する答えを探して英文を作る必要があります。(3)の英作文は「〜して驚く」 「be surprised to 原形」、「things」を先行詞とする関係代名詞か接触節を使う英作文でした。
大問5は、去年より長文の語数が443語から394語になりました。ある中学校の卒業生ウィリアムのスピーチについてボブが書いた文章です。形式は例年と同じでした。 (1)の英文を完成する問題は、選択肢の話題がどこの段落かをまず探し、そこから当てはまるところを調べます。(2)の適語補充の問題は文の前後から探す必要があります。「さがす」という「look for」やHeという三人称単数の主語から「hopes」を選びます。(3)は英文の語が文章のどこを指すのかしっかり見つけましょう。

出題形式、問題量、難易度は例年通りだと思います。

蝦名


【数 学】 
1は昨年度と同じ43点の配点で,(8)に問のヒストグラムの特徴に合っているものを選ば せる問題が新傾向です。難易度は「易」。
2は(1)確率,(2)方程式は容易でした。(3)の正四角錐の糸掛けは,展開図で糸が通る3面が台形になることに気付けるかがポイントです。(3)は図形が苦手な人にとっては厳しい問題だったと思います。
3は(1)整数の証明(穴埋め),(2)アの円周角を用いた相似証明,イの円周角からの弧AD=弧 CDは見つけやすく容易だったと思います。(3)は三角形DEOが直角三角形であることに気 付ければ,アの証明に用いた三角形を使って解けたと思います。難易度は「やや難」。
4は(1)〜(3)は例年通りでした。(4)はtへの座標置換(正方形)で,答えが解の公式の形には なりますが,置き換えるtは指示されていますので,類題を解いていた人には容易だったと 思います。
5はここ数年と同じく関数の利用でした。類題としては,平成22年度の水そうの問題があります。(2)の関数の交点までは難易度は「標準」でした。(3)はおよそのグラフをかいてみて,5 時間後と7時間後は「弱」であることまで気付ければその後の解法が見えたことでしょう。 連立方程式を3回解かないといけないので,途中の計算ミスが致命的になる問題でした。(3)は「難」。 全体的に,昨年より「やや難」でした。

佐々木

【社 会】


<<地理>>
大問1は世界地理の問題。
(1)(2)(3)の方位、地図上の距離に関する問題は地図の特色をおさえているか問われた。
(4)の時差の問題は、何度か青森県入試に登場している「フライト問題」。模擬テスト等でも頻出なので解きやすいはずだが、そもそもの解き方を理解していなければほぼ手がつけられない問題でもある。
(5)は各気候帯の分布を,
(6)は人口、原油の生産量と消費量の関係を把握する問題。各国の主な特色を把握していないと難しい。 大問2は日本地理の問題。(1)ア、イ、ウは日本のすがたに関する問題で、それぞれの地方区分と県名、農業の特色の問題。日本地図をしっかりと頭に入れているかどうかで、大きく得点率が異なる。(2)ア、イは福岡県に関する問題。(2)ウは、等高線の問題。基本的な問題なので解きやすい。




<<歴史>>
 歴史は例年通り、江戸時代までの総合問題と明治時代以降の総合問題となっています。3は資料が出てくる問題で、法隆寺(飛鳥時代)、正倉院(奈良時代)、平等院鳳凰堂(平安時代)はよく出ているものです。また、日光東照宮は、説明文に徳川家康が出ていますので当然江戸時代のものだとわかり、時代の判別は容易にできます。用語を答えさせる問題も、定期試験などで頻出です。4(2)(6)は年号がわからないと答えづらい問題となっています。記述問題は例年に比べると書きやすくなっています。トータルでみると、難易度はそれほど高くないと思います。
<<公民>>
5が地理・歴史・公民の融合問題ですが、ほぼ公民の小問集となっています。(7)が裁判員制度に関する問題ですが、全国の入試過去問題でもほとんど出ていない内容まできかれています。6は、人権と政治に関する問題です。記述問題が2題だされています。(3)イは資料を読み取る問題、(3)ウは教科書の内容をふまえて、自分なりに考えて記述する問題となっています。模範解答と同じでなくても、正解があり、また部分点はもらえる問題となっています。例年に比べると公民の難易度は上がっています。
 
猪股

 
【理 科】
<<2分野>>

大問1は、昨年に引き続き小問題集。移行措置から「シダ植物」の問題や、プレートの重なり方など、比較的解き易い問題が集まっている。
大問3も、生物分野から小問集であるが、顕微鏡のレンズの種別が問われたり、めだかの血流などメインストリームの問題からややはずれていて答えにくい。
大問6は天体。(1)は簡単な計算の問題だが、読解力が問われる。(4),(5)も天体の問題としては簡単なのだが,天体相互の位置関係をイメージできるかどうかがカギ。
大問7には、湿度の問題が出題された。単純な湿度ではなく、部屋の広さも考えに入れなければ解けない問題であった。全体的に得点しにくい。
佐藤

<<1分野>>

2は1分野小問集です。(1)は電磁誘導の問題です。磁界の変化に着目すればよいでしょう。(2)は力のはたらきです。作用・反作用に着目してください。(3),(4)はそれぞれ基本的事項の確認です。
4は酸とアルカリの問題です。電気を帯びたイオンについて考えるとよいです。5は水圧の問題です。難しかったと思います。浮力は水中にある体積に着目してください。
7の溶解度及び濃度の計算は少し難しいと思います。溶解度は100gに溶ける量を示しますが,問題では200gに溶けるグラフをあげています。
山ア